
毎日当たり前のように使っている、キッチン、お風呂、トイレなどの「水回り」。
実は、私たちが普段目にしている場所の奥には、家全体を巡る複雑な「排水管」が隠れています。
「最近、なんとなく水の流れが悪い気がする」
「下水のようなニオイが、ふとした瞬間にする」
そんな、日々の生活の中で感じる「小さな違和感」を、「気のせいだろう」と見過ごしていませんか?
排水廻りの異変は、人間でいう「病気の初期症状」に似ています。
小さな異変を放置していると、ある日突然、排水が詰まったり、あふれたりするなど、大きなトラブルに発展してしまうことがあります。
排水トラブルが起きてから専門業者へ依頼すると、状況によっては数万円以上の費用がかかることもあります。
私たち業者からすると、「普段から少し気を付けていただければ、防げたかもしれないのに」と感じるケースも少なくありません。
そこで今回は、ぜひ見逃してほしくない「排水廻りの異変」と、ご家庭でできる日常的な注意点についてお伝えします。
1.トイレの排水の異変
2.お風呂や洗面所の排水の異変
3.キッチンの排水の異変
4.バルコニーの排水の異変
5.排水ますの場所知ってますか?
6.まとめ

1.トイレの排水の異変
トイレの排水トラブルで多いのが、「急に詰まって流れなくなった」という症状です。
主な原因としては、
• 大量のトイレットペーパーや便が詰まった
• 異物を流してしまった
といったケースが考えられます。
前者の場合は、ラバーカップ(スッポン)などの道具を使うことで、比較的簡単に解消できることがあります。
万が一に備えて、ご家庭に一つ用意しておくと安心です。
一方、異物を流してしまった場合は注意が必要です。
無理にラバーカップなどを使用すると、異物をさらに奥へ押し込んでしまう可能性があります。
異物を流したことが明らかな場合は、無理に対処せず、専門業者へ相談することをおすすめします。
また、「急に詰まったわけではないけれど、以前より流れが悪くなった」という場合も要注意です。
例えば、
「水は流れていくものの、便器にたまる水位が以前より高い」
「排水しきるまでに時間がかかる」
といった症状がある場合、便器そのものではなく、屋外の排水管などで異常が起きている可能性があります。
知らないうちに異物を流してしまっていたり、古い排水管の内部に木の根が入り込み、排水を妨げていたりするケースもあります。
「まだ流れているから大丈夫」と放置せず、異変を感じた段階で早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
トイレの排水|チェックポイント
• 何が原因で詰まっているのかを確認する
• ラバーカップを一つ用意しておく
• 排水ますがコンクリート製で、周囲に植木が多い住宅は、木の根による排水管のトラブルにも注意する

2.お風呂や洗面所の異変
お風呂や洗面所では、「排水のニオイ」が異変のサインとして現れることがあります。
掃除をしているのに、すぐに嫌なニオイが発生する場合は注意が必要です。
また、「浴槽の水が以前より流れにくくなった」「洗面台の水がなかなか引かない」と感じる場合も、排水の異常が起きている可能性があります。
浴室や洗面所、洗濯機まわりの排水管には、髪の毛や繊維、石けん・洗剤の成分などが流れ込みます。
これらが長期間にわたって蓄積し、固着すると、簡単な掃除では取り除けなくなってしまうことがあります。
比較的軽度な汚れであれば、市販の排水管洗浄剤などで対応できる場合もあります。
定期的に排水口や排水管を清掃することで、詰まりやニオイの予防につながります。
また、異常の原因は屋内だけとは限りません。
屋外にある「排水ます」の部分に汚れが固着していたり、ゴミなどが溜まっていたりするケースもあります。
屋内の排水口だけでなく、可能であれば排水ますも定期的に確認・清掃するようにしましょう。
お風呂・洗面所|チェックポイント
• 排水口・排水管を定期的に清掃する
• 排水の流れが以前より遅くなっていないか確認する
• 掃除をしてもニオイが続く場合は、排水管や排水ますも確認する
• 排水ますの自主点検・清掃を行う

3.キッチンの排水の異変
キッチンの排水で特に注意したいのが、「油分の固着」です。
キッチンは、調理時に出る油分や洗剤などが排水されるため、排水管の内部に油汚れが付着しやすい場所です。
油分が少しずつ排水管の内部に蓄積すると、そこにさらに汚れが付着し、徐々に排水の通り道が狭くなっていきます。
特に、シンク下の排水トラップ周辺など、排水経路が比較的細い部分では、汚れが蓄積すると排水の流れが悪くなることがあります。
軽度な汚れであれば、市販の排水管洗浄剤などを使用して定期的に清掃することも予防につながります。
また、キッチンでは「過度な節水」にも注意が必要です。節水を意識するあまり、少量の水だけで排水を済ませていると、排水管内に汚れが残りやすくなる場合があります。
一度に大量の水を流す必要はありませんが、適切な水量でしっかりと排水することを心がけましょう。
キッチンの排水|チェックポイント
• 排水口・排水管を定期的に清掃する
• 排水ますを定期的に確認・清掃する
• 過度な節水は避け、適切な水量で排水する
• 油をそのまま排水口へ流さない

4.バルコニーがあるお家は要注意
近年増えているゲリラ豪雨や、大量の雨が降る際に注意したいのが「バルコニーの排水」です。
ここでいうバルコニーとは、雨水を排水するための排水口が設けられた防水床のバルコニーを指します。
アルミ製の後付けタイプなどは、ここでは対象としていません。
バルコニーの排水口は雨樋などにつながっています。
そのため、排水口や雨樋の途中に落ち葉や砂、ホコリなどが詰まっていると、雨水がスムーズに排水されず、バルコニー内にプールのように水が溜まってしまうことがあります。
特に、周辺に植木や森林などがある住宅では、落ち葉などが溜まりやすいため注意が必要です。
普段から排水口の周辺を確認し、ゴミや落ち葉などがあれば取り除いておきましょう。
また、大雨が予想される前には、排水口が塞がっていないか確認しておくと安心です。
バルコニー|チェックポイント
• 排水口に落ち葉やゴミが溜まっていないか確認する
• 雨樋などへの排水が妨げられていないか確認する
• 植木や森林が近い住宅は、特にこまめに点検する
• 大雨の前には排水口を確認する
5.排水ますの場所知ってますか?
皆さんは、ご自宅の「排水ます」がどこにあるかご存じですか?
また、年に1回でもフタを開けて、中を確認したことはありますか?
実は、これまでにご紹介した屋内の排水トラブルの原因が、屋外の排水ますを確認することで見つかることがあります。
排水ますには、屋内から流れてきた排水が集まります。
そのため、汚れや油分などが蓄積していたり、排水管に異常が起きていたりすると、排水ますの中を確認することで異常の兆候を発見できる場合があります。
まずは、ご自宅の敷地内のどこに排水ますがあるのかを把握しておきましょう。
そして、少なくとも年に1回程度は、排水ますを開けて内部の状態を確認することをおすすめします。
「排水ますなんて見たことがない」という方は、一度ご自宅の周囲を確認してみてください。
排水ます|チェックポイント
• ご自宅の排水ますの場所を把握しておく
• 少なくとも年に1回は内部を確認する
• 汚れや油分などの蓄積があれば清掃する
• 排水の流れや水位に異常がないか確認する
6.まとめ
排水トラブルは、ある日突然起こるように感じます。
しかし実際には、「水の流れが少し悪い」「以前より排水に時間がかかる」「なんとなくニオイがする」といった、小さな異変が前兆として現れていることもあります。
普段からご自身で排水廻りを確認し、簡単な清掃や使い方を少し工夫するだけでも、排水トラブルの予防につながります。
特に、
• 排水の流れが悪くなった
• 排水口から嫌なニオイがする
• 排水ますに汚れが溜まっている
• バルコニーの排水口にゴミが溜まっている
といった変化を感じたら、「まだ使えるから大丈夫」と放置しないことが大切です。
小さな異変のうちに原因を確認しておくことで、大きな詰まりや漏水などのトラブルを防げる可能性があります。
ただし、ご自身での対処が難しい場合や、原因が分からない場合は、無理に作業をせず専門業者へ相談しましょう。
また、緊急で専門業者への依頼が必要になった場合には、信頼できるお知り合いの業者へ相談するほか、お住まいの地域の水道局などに相談し、指定給水装置工事事業者などの適切な相談先を確認する方法もあります。
「ちょっとおかしいかな?」と感じたときこそ、排水廻りをチェックするタイミングです。
大きなトラブルになる前に、ぜひ一度、ご自宅の排水廻りを確認してみてください。
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